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介護の本書評「review-kaigo」

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第420回 あなたのまわりの「高齢さん」の本

高齢化社会に不可欠なコミュニケーションスキルが身につく

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

あなたのまわりの「高齢さん」の本
佐藤眞一 (著)

内容

「高齢者」ではなく「高齢さん」。決してこのふたつの人種はイコールではない。「高齢さん」とは、自身の豊富な経験に基づいて、私たちの想像を超えた言動で人生の意味を深く考えさせてくれる人だという。本書では、そんな「高齢さん」とのコミュニケーションが円滑になる112のキーワードが解説されている。

書評

社会は超高齢化し、全人口に占める65歳以上の割合は30%になろうとしている。それに伴って介護を受ける人たちも増え、この増加は今後も続くだろう。しかし、昔なら高齢者だった70歳代にも若々しい人もいる時代になりつつある。世の中にさまざまな高齢者があふれ、関連する研究が進んでいる一方、わからないことも増えている状況だという。

老いを生きると、幸せも苦しみも若い頃とは違った姿で現れるものだ、と筆者。高齢者は皆、幸せも苦しみもそれぞれに感じながら、限られた未来に向けて生き続けている私たちの隣人なのだ。

本書では、高齢者を「高齢さん」と親しみを込めて呼び、その背後にある心理を読み解くためのきっかけが示されている。本書には112のキーワードが示されており、親や祖父母だけではなく、周囲に暮らす私たちの隣人である「高齢さん」たちとのコミュニケーションの一助となるヒントが解説されている。

まず「高齢さん」とはどんな人なのか、年を取ることや記憶、性格を理解するためのキーワードが解説されている。そして「高齢さん」のことをもっとよく知るためのキーワード、続いて「高齢さん」の不思議行動にはどんな秘密があるのかを紐解くキーワード、そして「高齢さん」がさらに年を重ねることで起こることや、生き方などもキーワードとともに解説されている。

本書を読めば、理解も共感もできない高齢者が、愛おしい存在に変わっていくだろう。

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