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介護の本書評「review-kaigo」

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第411回 老いの整理学

80歳からを明るく、楽しく生きる方法

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

老いの整理学
外山 滋比古 (著)

内容

年齢の重ね方がわからなくて、健康を失うのは悲しいことである。体力は衰えても、気力がしっかりしていれば、かくしゃくたる人生を送ることはできるという。本書では「華麗なる加齢」を実現するための具体的な方法を、「知の巨人」の具体策として解説してくれている。

書評

筆者は、さまざまな分野で創造的な仕事を続け、「知の巨人」と称される人物である。
そんな筆者は、かつてのお年寄りはもっとキリッとしていたという。根性もあり、若者が一目置くお年寄りがどこにでもいた、敬老という言葉が日常生活の中にうまく溶け込んでいたと。

かつては平均寿命が短かったこともあり、介護という言葉も存在せず、老後は暗いものではなかった。今は、老老介護が増え、日本人のなかに「長生きは怖いもの」という気持ちが生じつつある。ピンピンコロリをPPKと呼び、それを願ってお寺参りをするのがレジャーのようにもてはやされるという時代は悲しいものがある。

本書は91歳になる筆者が、まだかくしゃくとした人生を送ることはできると考える理由、その想いや生き方をこれから老年となる人々に伝えたいと考えて記したものだ。病気、苦難、困難はできれば避けたいのが人情であるが、ただ恐れているのは良くない。恐れず、それに立ち向かい、やり過ごしてしまえば、人間はいっそう強く元気になることができる。

嫌なことは「知らぬがホトケ」、運悪く知ってしまったら「忘れるがカチ」。これは決して無責任ではない……という部分が、非常に印象に残った。

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