介護でも笑って暮らせば回復できる!
内容
突然倒れている母を発見した瞬間から介護が始まった筆者が、現在進行形で続いている介護の現実をマンガ形式でつづっている。倒れた原因を確定させるための検査の日々から、介護の決断、デイサービスの日々、日常のちょっとしたできごとなどが赤裸々につづられている。
書評
本書は、ブロガーの筆者が日々更新していたブログを加筆修正して出版されたものだ。もともとは子育てブログとして出発したものの、今は介護ブログとして人気を博している。
そんな筆者も、介護が始まったときは頭の中が真っ白になり、「絶望」という文字が浮かんだという。しかし、ブログを書き始めると同じように介護をしている人や介護の仕事をしている人からアドバイスや共感をしてもらうことで、不安でいっぱいだった自分自身が徐々に心が軽くなっていったそうだ。
本書では、昨日まで元気だった人を突然介護することになった悪戦苦闘の日々がつづられている。介護を受ける側の母親が口にする「もう死にたい」「これ以上迷惑をかけたくない」と筆者を気遣っているつもりの言葉が、筆者は逆に責められているように感じていたなど、理想や思い込みだけではどうにもならない介護の現実が描かれている。
それでも「要介護1」から「要支援2」に急回復した様子や、母親自身の変化がリアルに描かれていて、少しだけ「病は気から」という言葉もあながちウソではないんだな、と感じたり…。コミックだけに全編気軽に読めて、介護の日常がどんなものかを知ることができる一冊と言える。