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介護の本書評「review-kaigo」

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第400回 介護しているあなたが一瞬で楽になる声かけ

介護現場の感染症対策も充実

親の入院・介護が必要になるとき いちばん最初に読む本

介護しているあなたが一瞬で楽になる声かけ
大石 幸枝 (著)

内容

介護のスペシャリストが教える、介護する人がイライラやうつ病にならないための知識や情報が満載の一冊。「声かけだけで介護が100倍楽になる」や「介護する人のうつ病対策」、「介護を楽にするために考え直すこと」など、コロナ禍の対応含め、目からウロコの内容がぎっしりと詰め込まれている。

書評

コロナ禍で人々の暮らしは大きく一変した。しかし、認知症患者がいる家庭や施設は、基本的な声かけ方法に変化はない。むしろコロナ禍で家や施設に多くの人がいることで、認知症の人は穏やかになるという。ただ、介護する側は用事が増えるのでずっと一緒にいると息が詰まり、空気が吸えないほどの圧迫感を感じ、それが介護うつ病のきっかけになってしまう。すると認知症の人はそうした相手の感情の変化に敏感に反応し、室内の空気感も悪くなる。カギになるのは介護する人の中長期にわたるメンタルケアなのだ。

介護される人もする人も、親族もケアマネやヘルパーさんのようなサポートする人々も、みんながチームで幸せに暮らせるようにすることが何よりも大切だ、と筆者。

また本書では、認知症のお年寄りを介護する方々、これから介護することを迎える人々が、困った時にすぐに役立つ短いひと言を集めて掲載している。介護される人が興奮せずに穏やかになる方法を表にし、壁などに貼っておける「ハートケア早見表」を中心に、介護する側の人が自分自身の健康も大切にしながら介護される人と生きていけるよう、毎日できることが記されている。

「自分自身を愛して。自分自身をハグして。コレが一番大切です」というひと言がとても印象的で胸に刺さるから不思議だ。

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