介護の本書評「review-kaigo」 第201回〜

第297回「ひとりが要介護になるとき」

単身老後に「在宅」は大丈夫なのか?

ドキュメント ひとりが要介護になるとき。: 単身老後に「在宅」は大丈夫ですか!?

ドキュメント ひとりが要介護になるとき。: 単身老後に「在宅」は大丈夫ですか!?
山口 道宏
現代書館


内容


「ひとり暮らし」と「在宅介護」は、そもそも両立するのだろうか。国はしきりにこれからの老後は「在宅介護」を押している。だが、単身世帯はどの程度まで成り立つのだろうか。実際には経済的余裕がないと、高度な在宅介護サービスを受けることは難しい。その矛盾を解き明かそうと迫っている。

書評

単身者の在宅介護は、要介護3以上でなければ、そもそも食事サービスを1日2回受けることができない。それ以上は全額自己負担となる。つまり、在宅で十分な介護サービスを受けようとなると、介護度が上がるにつれて、経済的に余裕がないと難しいということなのだ。

近年、「在宅介護」の周辺では、中学校区を単位に医療と介護を統合したサービスを提供しようという「地域包括ケアシステム」が期待されている。だが、介護現場からは驚くほど冷ややかな目で見られているという。高齢者というだけで病院から介護現場に移される。身体介護と生活補助という切り離せないサービスを押しつけておきながら介護報酬を下げようとする手法は、まさに役人が机上の空論で数字合わせをしただけの施策と言われても仕方がないだろう。

しかも、医師にとって家族は適切な治療を施さねばならないという「圧力」となる。逆に言えば、家族のいない高齢者はその圧力がない。診療報酬が高く、手間が掛からない診療で点数を稼ぎ、儲けの道具にできるのだ。短期入院と検査漬けを繰り返洗馬利益が出る「退院支援加算」が注目されるのもそのためだ。ひとり暮らしで要介護の時は、誰も信じられないし、不安が尽きない事態に陥ることが想像されるのだ。

本書でその現実を知り、学び、来たるべき時に向けて準備と学習を始めなければならない。その第一歩として本書は最適だろう。

第298回「親の介護をしないとダメですか?」については、こちらへ。

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