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介護の本書評「review-kaigo」

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第295回 介護技術ハンドブック

「本人視点」を織り込んだ介護技術を解説。

本人の視点に基づく介護技術ハンドブック

本人の視点に基づく介護技術ハンドブック>
中央法規出版

内容

介護現場に入ってくる職員の経歴はさまざま。その裾野は大きく広がっており、とりあえずなら無資格で働くこともできる状況となっているのが、介護現場の現実だ。本書は教える側と教えられる側の共同作業で作られているのが特徴となる。「介護のロードマップ」という考え方をもとに、具体的かつわかりやすく解説されている。

書評

介護現場に入ってくる人は、さまざまな職歴を持ってやってくる。もちろん介護に関しては素人の人も少なくない。しかも、そんな素人であってもとりあえず働けるのが介護現場の現実だ。しかも、今後は外国人技能実習生などの受け入れも始まっていき、たとえ無資格であっても、基本的な介護の考え方や基礎技術をしっかり習得した上で働ける研修プログラムの作成を目指して作られたのが本書である。

本書ではモデル研修を実施し、「介護の基本、コミュニケーション」、「移動、移乗」、「食事」、「排泄」、「入浴、更衣」の5項目について、研修講師と実習指導者、さらにはつい最近まで研修を受ける側だった新任職員で確認し話し合った内容をもとに、ていねいに作りあげたハンドブックとなっている。

さらに、今回の書籍化のために、介護される本人と向き合い「本人の視点」を具体的にその介護場面に織り込みながら、改めて内容を精査してまとめ直されている。この教える側と教えられる側、さらに介護を受ける本人の視点という3つの立場から検討されていることで、読んで役立つ人の幅がグッと広がっているように思われる。

介護の現場での活用をしっかりと想定した一冊となっている。

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