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介護の本書評「review-kaigo」

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第293回 ひとり老後、賢く楽しむ

子どもがいても、夫婦でも、最後はひとり?

ひとり老後、賢く楽しむ

ひとり老後、賢く楽しむ
岸本葉子

内容

「人生100年時代」という言葉をよく聞くようになってきた。50歳を過ぎると老後をリアルに考えるようになってくるという。エッセイストでもある筆者が、いろいろな人に話を聞きながら「ひとり老後」の明るい迎え方を考えている。

書評

筆者は60歳近くになり、自宅マンションでひとり暮らし。30歳の頃から老後のことは気になっていたという。年を重ね、父の介護を経験した今、創造する老後は昔とかなり異なる姿だという。昔よりもリアルに老後を創造するようになった筆者が、50代から60代の一般の人に話を聞き、老後の気になることについて思いを巡らせたのが本書となる。

お金のこと、身体のこと、年を取るという未知の領域への不安、その先にある孤独など、不安を数えればキリがないという。しかもひとり暮らしのため、自分が父にしたような介護も望めない。だが、人生の先輩や同じ境遇の人生の同僚に話を聞くことで、筆者自身は不安が小さくなり、不安の解決法が見つかり、結果的に気持ちが軽くなったという。

ただ、長い人生、不安を数えて縮こまるのではなく、変わっていくことを受け入れてしなう弥香に生きていきたいという筆者の想いはより強くなったようだ。本書はノウハウを紹介するような指南書とはひと味異なる。

50代、60代、70代と老後の入口に立った人が、老後をどう考え、どんな備えをしているか、本当にリアルな声が詰まっている。本書を読み終えた後、少し早めに老後を考えるだけで、未来が明るくなる、そんな老後準備を始めてみたいと感じるのではないだろうか。

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