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介護の本書評「review-kaigo」

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第292回 介護ヘルパーはデリヘルじゃない

介護問題の対処法と解決法がわかる!

介護ヘルパーはデリヘルじゃない 在宅の実態とハラスメント (幻冬舎新書)

介護ヘルパーはデリヘルじゃない 在宅の実態とハラスメント (幻冬舎新書)
藤原 るか

内容

介護職は人手不足が続いているが、2018年の調査では4割の介護ヘルパーがセクハラを受けたと回答している。セクハラ・パワハラをなくし、介護職をよりやりがいのある仕事にするために奮闘する筆者。なぜ介護現場ではセクハラやパワハラが放置されるのだろう。その闇を明らかにするべく介護歴28年のキャリアを持つヘルパーが奮闘する。

書評

介護ヘルパーは個人宅にひとりで出向くという働き方をしており、ヘルパーにとっても、訪問される利用者にとっても、それぞれ違った意味で緊張や抵抗感などがつきまとう。だが、そこで何が会ってもヘルパーはひとりで解決しなければならないし、次回の訪問につなげる必要がある。

キャリア28年を誇る筆者だが、パワハラやセクハラの問題は、ずっと以前から存在していたという。もちろん上司などに相談する物の、世間的に問題になることはこれまでなかったという。

だが、世の中は大きく変化している。『#Me Too』運動が始まり、ヘルパーが利用者やその家族から暴言や性的な嫌がらせを受けてきたことが大きく報じられるようになった。2018年に行われたアンケート調査でも、回答者全体の70%以上が何らかのハラスメントを受けた経験があり、40%以上がセクハラに該当する行為を受けたという。

本書では筆者が過去に経験したハラスメント事例の他に、認知症の方やペットを飼っている方の事例、介護保険の問題点なども紹介されている。

訪問介護の現場を知ってもらうことで「介護されること」や「高齢者がペットを飼った時の現実」「ハラスメントをなくす方法」などを一緒に考えていければという。筆者がめざすのは、介護職をやりがいと働きやすさがあり、面白さと報酬が両立する職業にすることだ。

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