成年後見人制度を最大限に活用するためのバイブル。
改訂版 成年後見人をたてないとダメといわれたら読む本
粂 智仁
内容
後見人を立てるとは、どうすればよいのだろうか。そもそも成年後見人制度とは、どのように活用するものなのか。本書ではいろいろな実例をもとに、成年後見人制度の利用方法などについてわかりやすく解説されている。
書評
聞いたことはないだろうか。口座の持ち主が亡くなると、お金がおろせなくなってしまうという話。かなり以前からある話だ。そして、なぜおろせなくなるのかわかるだろうか。実は、死亡の事実を取引銀行に知らせない限り、口座が閉鎖されることはない。預金口座が閉鎖されてしまったら、遺産相続の手続きが終了してからでないと、現金をおろすことはできない。
最近増えてきたのが、これまではご近所のよしみでおろせたのに、「成年後見人を立てないとダメです」といわれる話。どうしたらいいの?というかなり切実な相談が、行政書士である筆者のもとに増えているという。これは、例えば一家の大黒柱である主人が認知症になってお金がおろせなくなったら、生活費に回している年金の引き出しもできなくなるということを示している。これは、ある日突然収入が絶たれるような仕打ちに等しい。
では成年後見人を立てるには、何をどうすればよいのだろうか。そして成年後見人は、どんな時に、どのようにして利用するのだろうか。
本書では、いろいろな実例をもとに、成年後見人制度の利用の仕方などをわかりやすく解説してくれている。また、成年後見人がいないとダメだと言われるシチュエーションごとに、その理由や意味、対策などが記されている。タイトルの通り、成年後見人制度を活用するタイミングの直前で手に取ると非常に役立つだろう。