介護の本書評「review-kaigo」 第201回〜

第284回「認知症 いま本当に知りたいこと101」

ちまたにあふれる認知症の情報、それってホント?

認知症 いま本当に知りたいこと101

認知症 いま本当に知りたいこと101阿部和穂
武蔵野大学出版会 (2017-06-02)


内容


「認知症には薬を使うな!」、「●●●という薬が認知症に効いた!」、「▲▲▲名体操が認知症に効果があるらしい」など、認知症にはさまざまなウワサが存在する。本書はそんなモヤモヤを解消する一冊となっている。

書評

認知症に関する本はたくさん出版されているが、最近は「医者いらず」や「薬いらず」、「運動だけで治る」などの本が増えている。

中には眉唾物の内容も少なくないが、認知症患者を抱え、日々課題に直面するご家族はそうした真偽が疑わしい物も受け入れがちとなる。だが、「薬いらず」という情報に惑わされて、せっかく薬で助けられたかもしれない患者に、そのチャンスを与えない、放棄していたとすればなんと不幸なことだろうか。

認知症が食べものや飲み物で改善したり、簡単な運動や作業をするだけで予防できたりするという本も出回っているが、それらの情報は必ずしも一般に認められているものではない、ということを認識した上で読むべきだ。確かに効果を実感した人がいるかもしれないが、他の人が試しても同じように効果があるとは限らないのだ。

残念ながら認知症を確実に予防、治療できる方法はまだ確立されていない。認知症患者をお持ちのご家族なら、単純明快で簡単に予防や解決できそうな方法の話を聞くとすぐに飛びつきたくなる気持ちはわかる。だが、認知症はそんな単純なものではない、と筆者。それよりも大切なことは、「認知症を正しく理解する」ことだという。

本書は一般の方からの認知症に関する101の質問に対して、専門家である筆者が答えていくスタイルとなっている。ただ、この本は認知症予防に関するハウツー本ではない。さらには確かな治療法を提供する本でもない。だが、認知症に対する漫然とした不安を抱えている人にとっては、モヤモヤした気分の解消となることは間違いない、と筆者は語っている。

第285回「身近な人が元気なうちに話しておきたいお金のこと 介護のこと」については、こちらへ。

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