介護の本書評「review-kaigo」 第201回〜

第265回「認知症の人がスッと落ち着く言葉かけ」

右馬埜 節子
講談社


内容


筆者は2000ケース以上を経験したベテラン相談員。そんな筆者が、多くのケースから得た認知症の人に落ち着いてもらえる言葉の掛け方や接し方を提案している。ポイントは認知症の人々は「引き算の世界」に住んでいるということ。

書評

一般的な人は、記憶や知識や体験として積み上げていく「足し算の世界」に住んでいると言われるととても納得がいく。逆に認知症の人は病気によって知識や体験をだんだん忘れていく「引き算の世界」に住んでいるのだという。

引き算の世界では、足し算の世界の常識や理屈は通用しない。逆に認知症の人々の世界に合わせた言葉掛けをした方がうまくいくという。まさに『郷に入れば郷に従え』ということなのだ。本書では、場面に合わせて上手に「引き算」する方法が数多く紹介されている。

介護保険制度が導入されて15年が過ぎたが、認知症で困る人は増える一方。なぜ患者や家族が振り回される状況に変化がないのだろうか。その原因のひとつは、「認知症はバカになる病気」という誤解があるからだ、と筆者。この間違ったイメージを否定する本は多数あるが、「認知症をどう捉えれば良いか」に踏み込んだ本はまだ存在しない。

認知症介護は「確かな答えがない」、「良い手立てがない」と思われてきたが今は違う。だが、万人に必ず効く特効薬のような方法はまだない。だが、「不確かな」対応を「確かな」対応にしていくためのサポートは本書が担える部分だという。本書は介護に携わる人なら、どんな人にも役立つように書かれている。筆者は自らの「経験」が、読み手の「これから」の介護に少しでも役立つことを願っている。

第266回「これで安心!入院・介護のお金」については、こちらへ。

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