介護の本書評「review-kaigo」 第201回〜

第264回「DIARY 母と庭の肖像」

優しさと生へのしぶとさが伝わる写真たち。

DIARY: 母と庭の肖像

DIARY: 母と庭の肖像

山崎 弘義
大隅書店


内容


認知症を患う自分の母がなくなるまでの3年2カ月間、母と庭の写真を撮り続けた記録。添えられた日記が写真の力をさらに増幅させる。認知症であることを感じさせない豊かな表情に驚かされる。

書評

写真家である筆者の写真や日記を読み返したり見返すと、「もっと優しくできなかったのか」と後悔の念ばかりが蘇るという。しかしながら、いくつもの幸運にも恵まれた最期だった、とも。もっと最悪なシナリオだってあるのだから、と。

実際には2001年9月4日から2004年10月26日までの記録が掲載されている。とにかく母の表情が豊かで、そして少しずつ変化していくのがわかる。だが筆者は写真集の製作中も、筆者は母の姿を公にすることへの躊躇があったという。それでも公開に踏みきったのには理由があるという。それは「対面し、悩み、苦しんでいる人への何らかの生きるヒントとなってくれることを切に願う。」というもの。そうすれば天国の母も無断で本にまでしてしまったことを許してくれるに違いないという想いもあるという。

もうひとつ注目したいのが、母とともに写真として切り取られ続ける庭の風景だ。同じ時を生きる生命体として日々装いを新たにする草花が、母と並んで写っている。この姿が母の様子や体調と時には同調したり、時には対比したり。生命体としての根幹がよりクローズアップされるような気がした。

第265回「認知症の人がスッと落ち着く言葉かけ」については、こちらへ。

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