介護の本書評「review-kaigo」 第201回〜

第262回「親の介護をする前に読む本」

介護家族のための入門書を標榜する一冊。

親の介護をする前に読む本 (講談社現代新書)

親の介護をする前に読む本 (講談社現代新書)

東田 勉
講談社


内容


介護は日本人の多くが巻き込まれる可能性を持っている。だが、無縁なうちから学んでおこうという人はほとんどいない。では、介護する立場になってから学べば良いのだろうか。本書は後悔しない実用情報が満載で、介護する立場になる前に読める一冊をめざしている。

書評

介護は、介護する立場や状態になってから学び始めたのでは到底手遅れだと言える。要介護状態になった人が、自分の立場を客観的に知るために学ぶことは不可能に近い。多くの場合、認知能力が低下して本を読むことはおろか、自分の置かれている状況を理解することさえ困難な状態に陥っている人が少なくないからだ。幸いなことに認知能力が維持されていても、誰かに介護されなければ生活できない状態で、自ら積極的に情報収集できる心の余裕を持つ人は一体どのぐらいいるだろうか。

本書は、介護を学ぼうとする人が『最初に読むべき本』というテーマを持って制作されている。そのために、介護が始まると遭遇するポイントを取り上げている。特に、多くの人が迷うであろうポイントを厳選し、それぞれに必要な知識と解決のヒントが示されている。

そのため、本書では介護の基礎知識と言える部分から、介護保険の使いこなし方や実際に良い介護施設を見つける方法といった実践的な行動で役立つ部分、そして高齢者医療の現実や認知症医療の真実など、未来を問うような部分まで押さえた内容となっている。幅広い内容が一冊に凝縮されており、各テーマに興味を持てば、より詳しい本を探してさらに深く学ぶのも良いだろう。

介護はとにかく学んで行動することが大切だ。本書で学ぶべき一番大切なことは、「いつか身に降りかかることだというのは理解しているけど、嫌なことだし今すぐ考えたくはないから後回しにしておこう」という思考停止状態に陥るのが最も危険ということなのかもしれない。

第263回「Q&A 日経記者に聞く 安心老後、危ない老後」については、こちらへ。

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