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介護の本書評「review-kaigo」

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第254回 親の認知症に気づいたら読む本

認知症は知識があれば落ち着いた介護ができる。

親の認知症に気づいたら読む本
主婦の友社/杉山 孝博 (監修)

内容

自分の親が認知症になったら、真っ先に知りたいことがわかる本。例えば、「まず何をするべきか」、「どう接するべきか」、「親は今どんな気持ちなのか」といった「知りたいことがわかる」一冊となっている。

書評

日本人の平均寿命が、男性約80歳、女性約86歳となった今、親が認知症になる可能性は高いと思われる。それでもたいていの人は「しっかりしているから自分の親は認知症になることはないだろう」、「自分の親だけは認知症にならないだろう」と思っている。

だが、そうも言ってはいられないのが今の日本の現実だ。自分を育ててくれた親だから一生懸命お世話したいと思う人も少なくないだろう。だが、そう思ってひとりで頑張っても、決して良い介護はできない。認知症の介護はそれほど大変。認知症の親を持ったら、正しい知識を備え、医療、介護、福祉サービスを良く知り、上手に活用できるのが大切なのだ。

認知症の症状や認知症の人の気持ちを理解するのは非常に難しい。例えば、運動麻痺の不自由さや失明した人の恐怖感といった身体的な症状ならある程度イメージできる。しかし「家族の顔わからない」、「平気でウソをつく」、「世話してもらっている介護者にひどい症状を示す」といった認知症ならではの症状は、我々の体験では到底理解することができないのが現実だ。

本書は、親が認知症ではないかと思った時、どのように理解して対応したらよいのかを記してある。しっかりした知識を持てば、認知症の親の気持ちや世界観がよくわかるようになる、と筆者。そうなるとしっかりした介護ができるようになり、症状も落ち着くそう。少しでも穏やかな気持ちで介護をするためにも本書を一読してみてはいかがだろうか。

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