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介護の本書評「review-kaigo」

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第247回 認知症自己診断テスト

「もの忘れがひどくなった」と感じたらトライ!

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これができれば「認知症」ではありません! 認知症自己診断テスト
認知症予防協会

内容

認知症には「恥ずかしい」、「他人に知られたくない」といったイメージがついてまわり、どうしても病院を受診するのが遅れがちになるそうだ。それを防ぐために本書では、認知症の可能性が高いかどうかを判断する認知症自己診断テストが2セット用意されている。

書評

高齢化社会が進行するにつれて認知症も広がっている。2012年の時点で認知症患者はすでに462万人にのぼり、全高齢者の15%に相当していたという。これに軽度認知障害の患者を加えると、おおよそ高齢者の4人に1人が認知症か認知症予備軍となっているそうだ。当然だが、高齢化が進行すればこの数も割合もどんどん増えていくと思われる。

認知症は増え続けているにもかかわらず、誤解が多い病気であることも認知症の特徴の1つと言える。これは、かつてこの病気を「痴呆」と呼んでいた頃のイメージが払拭できずにいると思われる。当時のイメージのまま、『恥ずかしいという思いが生まれ、隠したり、病院へ行って検査することすら拒む人が多いというのだ。現在は少しずつ理解が進んでいるが、それでも認知症という病気に対する理解が十分だとは言えない。

本書の筆者は脳神経の専門医と認知症予防学会が監修している。彼らは、家族たちが「これまでとは少し違う」と思ったら、迷わず病院を受診して欲しいという思いがある。本書の自己診断テストを受診してみて、簡単に解けるようなら認知症の心配は今のところ皆無だそうだ。しかし、間違いが多かったり、問題の意味がわからず戸惑ったりしたら恥ずかしがらずに専門機関を訪ねることを推奨している。

もちろん本書のテストは万能ではなく、あくまで目安の1つ。しかし認知症への理解を深める一冊にはなるはず、と筆者は考えている。本書には自己診断テストに加えて、認知症という病気の基本事項と「脳トレ」ドリルも付属している。ぜひ合わせて利用することをおすすめする。

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