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介護の本書評「review-kaigo」

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第246回 親の介護は知らなきゃバカ見ることだらけ

福祉は自己申告の世界。やった人だけがトクをする。

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鳥居りんこの親の介護は知らなきゃバカ見ることだらけーーー申請から施設探しまで、介護初心者には想定外の事態が待っていた!
鳥居 りんこ

内容

エッセイストの筆者が、自分には絶対に降りかかってこないとタカをくくっていた「介護」をすることに。そこには申請から施設探しまで、介護初心者には想定外の事態が待っていたという。そんな想定外のエピソードがふんだんに盛り込まれている。

書評

「自分は娘、旦那は次男。嫁いだら旦那の家の人間になるから親の介護はやらなくて良い」と結婚する時に考えた女性は少なくないだろう。筆者もそう思っていたそうだ。だが、そんな高みの見物を決め込んでいた筆者は、否応なく「実親の介護」が降りかかってくることになった。

本書は実際に筆者が体験したエピソードの紹介がメインとなっている。介護の女性には自ら問い合わせをして動かねばならないという事実を知った瞬間から、介護申請手続き、ケアマネージャーと二人三脚で介護保険を利用するべく動く様子、そしてなぜか介護保険を受けたがらない母……。また、高齢者につきものの骨折、老いと寂しさから子供たちを困らせる母に、子供たちがマジギレ寸前になるところまで、包み隠さずリアルに紹介されている。

また介護施設の賢い選び方と題して、ショートステイ利用や片っ端から特養に申し込んでみたり、紹介センターに言ってみたり、介護つき有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅を比較検討してみたり。とにかく介護をすることになった瞬間、やりそうなことを片っ端から試し、そのエピソードなども紹介されている。

また、本書は介護初心者だった筆者の6年にわたる右往左往を記録したものであると同時に、「娘であること」の葛藤が綴られている。本書は同じような境遇の介護初心者にとってはとても役に立つ一冊となるだろう。

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