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介護の本書評「review-kaigo」

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第245回 認知症介護 その関わり方、間違いです!

「薬の力」よりも「関係の力」でケアする方法。

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認知症介護「その関わり方、間違いです!」―介護現場の理学療法士直伝
松本 健史

内容

認知症介護に多く携わってきた筆者が、地域活動の中で感じた、認知症ケアの「あれっ?」という思い。認知症患者への世間折会はまだまだ浅く、医療や介護のプロでさえ、誤解していると感じることがあるという。本書では、認知症患者に対する適切な関わり方と紹介している。

書評

本書では、介護に関わる人々が認知症に対してリハビリや介護の正しい知識を持ち、適切な関わり方をすれば、認知症患者は落ち着いて暮らすことができることを紹介。

認知症患者はこれから増えていく。3K職場の代表と言われる介護現場が悲鳴を上げるのも時間の問題。未来には悲観的な予測しかありません。それをなんとかするには、一人でも多くの認知症ケアの達人を増やしていくしかない、と筆者は語る。

本書では、在宅介護している家族に向けて、普段からできる「コミュニケーション」が実はスゴい威力があることを紹介。一見、意味不明の言動にも、よく観察すると豊かなメッセージや緊急のサインがあるという。認知症患者を介護するプロはその人の心の状態と生活環境を確認するところから始めるという。患者の居場所を再構築し整えることで、落ち着きを取り戻す人が多いそうだ。最初に頼るべきは、「薬の力」ではなく「関係の力」だという。

本書ではこの「関係の力」に力点を置いて解説されている。また、最終章では、「お笑い」からコミュニケーションの極意を学ぶ。「お笑い」のコミュニケーション技法を応用して認知症ケアにつなげるというもの。こうしたていねいなケアを積み重ねることが、超高齢化社会を明るく生きる一助となるのかもしれない。

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