介護の本書評「review-kaigo」 第201回〜

第221回「長尾和宏の死の授業」

日本人は死に方を選べるのか?

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長尾和宏の死の授業
長尾 和宏


内容


人は好きで生まれてきたわけではない。親も国も性別も、何一つ選ばずに生まれてきた。死も同様。どう死ぬのか、いつ死ぬのか、どこで死ぬのか…すべてをコントロールしようとするのは人間のエゴイズムでしかない。にもかかわらず…今の終末期医療に疑問を投げかける一冊。

書評

人は100%死ぬ。その事実に正対して向き合ってきた人は少ない、と筆者。みんな誰しも口には出さないが「自分は永遠に死なない」と思っているのかもしれない。そのぐらい死を「他人事」だと考えていないだろうか。人だけではなく、メディアも医学もそうだ。医学に至っては、発達して延命治療が可能になればなるほど「死」は敗北であると認識されるようになったのだ。

損案時に飛び込んできた29歳女性が安楽死下というニュース。多くのメディアが「尊厳死」と「安楽死」の違いを考えるきっかけとなった。死を言葉で語る意味の有無は分からない。だが、「平穏死」「尊厳死」「安楽死」の3つで人間の死を類型化して語ることにも意味はある。

本書は筆者と生徒たちが3時間あまりにわたって「死」と向き合い、「死に方」について語り合った記録である。そこには、現代日本人の死生観、そして希望と絶望が凝縮されている。
「どう死にたいか」を考えることは、「どう生きたいか」を考えることと同義。筆者は「明日はどうなるかわからない。だからこそ今日を精一杯生きようじゃないか」ということを伝えたいのだ。そんな想いを本書を読んだ人に持ってもらいたい、そう思って筆者はこの本を執筆したという。読むと、自分自身の死生観を見つめ直す時間が欲しくなる一冊だ。

第222回「高齢者住宅が危ない」については、こちらへ。

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