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介護の本書評「review-kaigo」

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第220回 寝たきりにならず、自宅で「平穏死」

本気でピンピンコロリを願う人へ。

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寝たきりにならず、自宅で「平穏死」 健康寿命を延ばすために大切なこと (SB新書)
長尾 和宏

内容

今は100歳以上の高齢者は、5万人を超えているという。つまり100歳まで生きることは、そう珍しいことではないということだ。しかし、医療保険制度や介護保険制度の運営が厳しくなる中、健康長寿をめざすのであれば、自分で努力することが必要な時代となっている。本書は、自力で支障なく生活できる健康寿命を延ばすためのヒントが満載となっている。

書評

00歳の双子姉妹、きんさんぎんさんが話題になったのが1990年初頭。当時は100歳まで生きている人はとても珍しかったのを覚えているが、今となっては100歳まで生きていることはそう珍しいことではない。ただ、100歳以上の8割が寝たきり、もしくは準寝たきりの状態で生きているのだ。

確かに日本人の平均寿命は、2013年は男性80.21歳、女性86.81歳となっている。世界トップレベルの数字だ。だが、寿命にはもう一つある。それが『健康寿命』だ。これは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことで、日本人男性は70.42歳、女性は73.62歳と、ガクッと下がる。つまりは10年前後不健康な状態で生きているということなのだ。日本は長寿大国ではあるが、実は不健康長寿大国なのだ。

「ピンピンコロリとあの世に行きたい」と考える人は多い。これは健康な期間を延ばして不健康な老後の時間をなくしたいということ。これを実現するには、「自分の身体をどうケアしていくか」が重要。世の中的には「共助」や「公助」の重要性が叫ばれているが、最も大切なのは自分の健康は自分で守るセルフメディケーション、あるいはセルフケア。すなわち「自助」こそが最も大切なのだ。医療や介護に頼れなくなる時代が来たら、その中で幸せに行きようと思えば、自分身体は自分で守り、寝たきりにならないように自分でなんとかするしかないのだ。

筆者は、多くの人々の人生の「閉じ方」を見てきた。本当に色々な人がいたという。本書には、そうした人々を看取る中で生まれた寝たきりにならない方法、もっと言えば要支援のまま生き延びる方法が記されている。

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