介護の本書評「review-kaigo」 第201回〜

第215回「老人漂流社会」

唯一の解決策は、目を背けないことだ。

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老人漂流社会NHKスペシャル取材班


内容


高齢者が体調を崩して自宅にいられなくなっても、病院や介護施設は満床では入れない。短期間だけ入所できる施設を転々としているうちに貯金が底をつき、行き着く先は生活保護。それでも安住の地は簡単には見つからない。住まいを負われ、「死に場所」を求めて漂流する高齢者が、今あふれ出そうとしている。

書評

あらかじめ元気な時から老後に備えて、どこを「終の棲家」とするのか決めている人は少ないだろう。また、自分の親がひとりで暮らせなくなった時、どういう選択をするのか決めている人も、ほとんどいないのではないだろうか。

NHK取材班が、その取材力を背景に深刻な老後の現実をあぶり出している。自分の老後を選べない現実。本書では、「自らの老後を自らで選ぶ」ということの難しさと大切さについて詳しく伝えようというのがわかる。なぜなら、取材した際に出会った人の多くが、認知症が進んだり、衰弱したり、寝たきりになっていて、「自分で自分の老後を選べない」状況にあったからだ。高齢になってひとり暮らしができなくなり、自らの意思が示せなくなってからでは、この問題と向き合おうとしても「進むも地獄、引くも地獄」という厳しい局面になってしまう。そうなる前に、「老後を誰と、どこで、どう過ごすか」を考え、決めておくことこそ、自分を守る唯一の方法ではないか、と筆者。

本書は、老後の問題について「他人ごとではない」と感じている人たちが、自らの老後に向き合う時、どうすれば自分らしい終の棲家を見つけ出せるのか。現実的な目線で老後の選択肢を提示するための参考になるかもしれない。

第216回「認知症になった私が伝えたいこと」については、こちらへ。

関連サイト

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