介護の本書評「review-kaigo」 第201回〜

第213回「七十歳死亡法案、可決」

2年後、やっとお義母さんが死んでくれる。

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七十歳死亡法案、可決垣谷 美雨


内容


時は2020年、時の内閣は「七十歳死亡法案」を強行採決した。日本国籍を有する者は、誰しも70歳の誕生日から30日以内に死ななければならない。例外は皇族のみ。政府は安楽死の方法を数種類用意し、対象者がその中から自由に選べるように配慮するというもの。84歳の母を抱える家族はどう行動するのか……。

書評

時は2020年、高齢者が国民の3割を超え、社会保障費は過去最高を更新。破綻寸前の日本政府は「70歳死亡法案」を提出、強行採決した。2年後の施行を控え、宝田東洋子(55歳)は「やっと自由になれる」と喜びを感じながらも、自らの人生の残り時間に焦燥感を募らせていた。

わがまま放題の義母(84歳)の介護に追われた15年間。懸命に家族に尽くしてきた。なのにいつも妻任せの脳天気な夫(58)、働かない引きこもりの息子(29)、実家に寄りつかない娘(30)とみな勝手放題。「家族なんてろくなもんじゃない」と東洋子の心には黒いさざ波が立ち始めていた……。

もちろん小説なので架空の話だが、あながち絵空事でもないのかもしれない。実際に社会保障費は国の財政を圧迫し続けているし、多様な考え方が広がり、着実に「長生き=幸せ」というステレオタイプも崩れつつある。「死ぬ権利」という言葉が徐々にメディアなどを賑わす中、現実の社会でも近いことが起こるのではないかと深く考えさせられた。

第214回「ミツみっちゃん介護日記」については、こちらへ。

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