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介護の本書評「review-kaigo」

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第212回 親の介護が必要になったときにやるべきこと

施設やサービスの利用法、準備方法がわかる。

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親の介護が必要になったときにやるべきこと 施設・サービスの利用法、やっておく準備がわかる
中村 寿美子

内容

家族で支えるか?それとも施設にあずけるか?自分の生活と介護をどう両立させるのか?介護をすることになると、多くの判断を迫られる。本書では、そんな時に知っておきたい制度やお金のこと、忘れてはいけない大事な申請など、親に介護が必要になったときにまずやるべきこと、判断すべきことが記されている。

書評

「親孝行したい時に親はなし」という言葉も今は昔。日本は100歳以上が5万人を超える超高齢社会だ。今は元気な高齢者も、介護が必要な状況は突然起こる。しかも、長期入院ができない状況で、さらに何らかの障害を持っていたりすると、もうどう支えれば良いのか分からなくなる。

まずは現実を知ることからはじめる。超高齢社会における社会的資源や介護保険サービスなどの情報収集から始めるのが妥当だろう。人間は生まれる時と死ぬ時、必ず「誰かの手」を必要とする。かつてはその「手」は家族や身内だったが、今は違う。

今の日本は時代が変化し、手本があるようで無い時代。いつの間にか緩やかな個人主義となり、個人情報が重んじられ、すべてが自己決定、自己責任の社会となっている。介護保険サービスだって、「契約と選択」が基本で、サービスを受けるには「契約」が必要なのだ。長く村社会だった日本も、個人が契約するという行為に馴染めないでいるが、契約社会になったのだ。

本書は7章に分かれており、親子が別々に暮らす現代社会において老いた親を支えるための心構えや準備などが、具体的にイメージできるよう分かりやすく解説されている。介護は十人十色である、と筆者。多くの介護情報が飛び交うなかで情報整理ができるガイドブックとして活用できそうだ。

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