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介護の本書評「review-kaigo」

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第210回 困った老人と上手につきあう方法

現代に困った老人が急増する理由が明らかに。

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困った老人と上手につきあう方法 (宝島SUGOI文庫)
和田 秀樹

内容

いつの時代も老人は、分別ある円熟した存在、あるいは守られるべき弱者として扱われてきた。しかし、周囲を見渡せば、円熟の境地にはほど遠い「困った老人」であふれかえっている現実がある。本書は、そんな老人の脳と心で起こっていることを解説する。

書評

今ドキの老人は何かおかしい…こう感じたことはないだろうか。少し前によく言われた「キレる若者」と大差ないほど幼稚な事件が世間を賑わることも少なくない。ただ元気をもてあますパワフル老人だけならまだしも、初期認知症の症状が現れた親の対応につかれている人も多いし、定年退職や配偶者の死をきっかけに「うつ」などの心の病を書けてしまう人も少なくない。このように事件を起こす「暴走」まではいかなくても身近なところに「しょうもないレベルの困った老人」が非常に多い。老人介護とはまったく別の次元で、元気な親の取り扱いに困っている人が多いのは間違いない。

今のご時世、要介護の老人には介護保険でホームヘルパーも来てくれるし、ケアマネジャーからのアドバイスや相談に乗ってくれる。だが、本書でテーマにする「困った老人」は心身ともに元気で介護保険は適用されない。周囲の人たちにとっては「要介護者の方が楽」と思われる側面を持っているのだ。

本書では今ドキの困った老人を「パワフル型」「イライラ型」「感情爆発型」「不平不満型」「不定愁訴型」「意地悪ばあさん型」「トラブル型」「引きこもり型」「判断力低下型」「セクハラ型」の10タイプに分類している。そして、それぞれのタイプの老人の脳と心で起こっていることをわかりやすく解説している。老化のメカニズムや心と体の変化を知り、高齢化社会に潜む問題や正しい付き合い方を知れば、高齢者との正しい付き合い方、さらには幸せな高齢者になるためのヒントを見つけられるかもしれない。

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