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介護の本書評「review-kaigo」

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第206回 老後にいくら必要か

老後の生活には思ったよりお金が掛かる!?

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老後にいくら必要か? (宝島SUGOI文庫)
横川 由理

内容

定年などを迎え、時間に余裕ができたら旅行にも行きたいし、新しい趣味も始めたいと思っている人も多いだろう。だが、公的年金がどんどん減らされる傾向にありながら、実際の生活には思ったよりもお金が掛かるのが現実だ。本書では、その現実を乗り越えるための準備の方法などをアドバイスしている。

書評

定年が視野に入ってくると、海外旅行や趣味など、今までは時間がなくて諦めていたことをリタイアしたら思う存分楽しみたいと思っている人は多いだろう。日本なら60歳はまだまだ元気な人も多い。隠居や老後、という言葉よりもセカンドライフという言葉の方がイメージが当てはまるのではないだろうか。しかし、老後にはどのぐらいの費用が掛かるのだろうか。

退職金や年金があるから大丈夫と思っている人は少し注意が必要だ。ローンの残高、子どもたちへの援助、そして、10年、いや20年、30年掛かるかもしれない自分たちの生活費はイメージできているだろうか。頼りにしていた公的年金が減っていく傾向にある中で、未来は想像以上に厳しいのが現実だ。だからこそ、50代からお金の管理が必要になってくる。しかも大切なのはお金だけじゃない。どのようなセカンドライフを送るのかというライフプランも重要だ。趣味だって、リタイアしてからすぐに見つかるものでもないだろう。

本書では、老後の目標を達成するために、まず老後の生活をシミュレーションして必要な改善点を炙り出す。その上で、公的年金や雇用保険の受け取り方、老後に有効な保険の見直し、老後の住まい方など、自分の資産を守る方法を提案してくれている。さらに、減っていくばかりのお金をいかに減らさないかという運用についても紹介されている。

老後の暮らしは思っている以上にお金が掛かる。その時になって慌てても遅いかもしれないのだ。幸せなセカンドライフを送るためには50歳代からしっかりと計画を立てて準備をすることが必要であり、本書はその良き指針となるだろう。

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