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介護の本書評「review-kaigo」

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第201回 死ぬまで安心な有料老人ホームの選び方

子も親も「老活」をする時代!

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死ぬまで安心な有料老人ホームの選び方 子も親も「老活!」時代 (講談社+α新書)中村 寿美子

内容

有料老人ホーム・シニア住宅情報を提供する筆者が、婚活ならぬ「老活」のノウハウを解説。一口に「老後」と言っても、その種類は十人十色。本書では、複雑でわかりにくくなったシステムをできるだけ簡単に説明することを念頭に置き、解説されている。

書評

高齢化がどんどん進む日本社会。ひとり暮らしや夫婦のみの高齢者世帯が増える中、終末期をどんな状態で過ごすかが、現実的な問題となってきた。いよいよ身体が弱ってきた時に、誰の世話になるのが自分にとって一番気楽なのだろう。社会の進歩はめざましくとも、そうした人生最後の日をどんな状態で過ごすことになるのかは、誰にも予想できないという時代になっている。

子どもがいてもいなくても、不安であることには変わりない。子どもが介護してくれるかどうかはわからないし、自分の子主には介護をさせたくないと考えるのも人情。有料老人ホームの情報を提供する筆者は、老人ホームに入居することで質の良い介護やサービスを受けられるのに、そうした施設に入居させられることで「家族に捨てられた」という感覚を持つ親や、「老人ホームに入れるのはかっこ悪い」と思う子どもがいることに驚くという。高齢期とは、病気や老いの不安に苛まれる時期ではなく、社会的義務やしがらみから解き放たれ、自由を満喫し、本当にやりたいことができる、その人らしさがすべて表れる年代なのだ。だからこそ、自分の人生を全うするために、安心できる終の住み処を自分で選び、納得のいく生活を送って欲しいと筆者は語る。

本書では、「老後」と一口に言っても実際にはどういった不安があるのか、健康の不安、老化の不安に対して有効な住まいにはどんな種類があるのかなどがわかりやすく説明されている。しかし「自分がどうしたいか」を自覚することが最も大事で、すべての対策はそこから始まる、という。本書ならそれが見つけられるかもしれない。

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