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介護の本書評「review-kaigo」

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第199回 お金をかけない「老後の楽しみ方」

年金暮らしの「費用対効果」を高めるコツを伝授!

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精神科医が教える お金をかけない「老後の楽しみ方」 (PHP文庫)
保坂 隆

内容

老後と聞いて、真っ先に頭の中で気になるのは「お金のこと」だという人が多いかもしれない。でも、人生はうまくできていて、年を取って収入が減れば、衣食住などの生活費も小さくなり、「何にお金を使うか?」の自由度はむしろ高まるという。本書は、定年後の節約のあり方などについて、その知恵を伝授してくれる。

書評

世の中のたいていの人は、限りあるお金で人生を最後まで生きていくことになる。だからこそお金のことを不安に思う。だが、いくらあればその不安はなくなるのだろうか?不安だと思うから不安になる。それが不安の正体だ。

周囲から見ると不安に思うような小さな限りあるお金であっても、自分が大事にしたいものに優先順位をつけ、自分らしくメリハリを付けてお金を使って生きていくことはできるのだ。節約とは、お金の使い方に自分なりの価値観で優先順位をつけて、順位の低いものについてはできるだけ出費を抑え、そうして浮いた分を優先順位が高いものに振り分ける……そうした知恵なのだ、さらには、こうした人生を生きてこそ、本当にお金を生かして使った人生だと言えるのではないか、と筆者。そこで本書では、現役時代とは異なる定年後の「節約」のあり方や、「人生の総決算」に向けた本当に大切なことに「お金」「時間」「エネルギー」を注ぐための知恵を伝授。

例えば「節約」は、決してわびしいものではなく、ダイエットに成功すると心身が晴れやかになるように、暮らしにおいても不必要なものをそぎ落とし、簡素で落ち着いたものに整えると、精神的には一段と深まった、清々しい日々が実現できるという。節約は自分らしさを追求するための奥深い知性なのだ。

お金に対する不安を隠しきれないまま、老後を生きていこうとしている世代に本当に必要なのは、自分他恣意お金の使い方の知恵、芯の意味の生きる英知なのかもしれない。

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