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介護の本書評「review-kaigo」

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第195回 49歳未経験 すっとこ介護はじめました

漫画で見る介護の仕事のすべて!

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49歳 未経験 すっとこ介護はじめました!
八万 介助

内容

49歳の売れない漫画家が、介護ヘルパーに転職することを決めた。介護未体験の49歳のオヤジが挑む、他の社会とは少し異なる介護の世界とその体験が描かれている。すべてが実体験であり、エッセイ漫画というよりも人生を賭けた体験漫画とも言える一冊。

書評

経済的に困窮した49歳の漫画家がようやく見つけた仕事は、なんと介護施設の認知症病棟の介護ヘルパーだった。若い女性職員に虐げられ、未経験の過酷な仕事に悪戦苦闘することに。例えば、おむつ交換の恐怖にはじまり、死と隣り合わせの入浴介助、給料と労働時間が釣り合わない現場、職業病とも言える腰痛との戦い。

入職した施設が「どんな人でも受け入れる」施設だった目に、さまざまな個性を持つ利用者の方々と触れ合うことに。くわえて、職員でさえも「どんな人でも受け入れる」姿勢だったため、変な職員さん、不思議な職員さんがたくさんいたんだそう。彼ら、彼女らもこの漫画には欠かせない役者となっている。

実際に漫画で読み進めると、文章で読む以上に読みやすく、よりリアルに介護の現場の大変さが伝わってくる。それでも苦痛や大変さだけが伝わるのではなく、思わず吹き出してしまうような場面に遭遇するという介護の仕事ならではの楽しさややりがいも伝わってくるのが良い。

さらには筆者の両親も介護が必要な自体となり、悪戦苦闘っぷりに拍車が掛かる……。
でも、実際に働いたからこそ見えてくる介護の仕事の現実や裏話、そして働く喜びが軽妙な絵とセリフで描かれている。介護職を志す人はぜひ一読してみるのをおすすめする。

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