介護の本書評「review-kaigo」 第101回〜

第193回「老人性うつ」

認知症の前に「老人性うつ」を疑え!

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老人性うつ 気づかれない心の病 (PHP新書)和田 秀樹


内容


日本の高齢者の5%はうつ病だという。うつ病と躁うつ病の治療患者100万人のうち4割が60歳以上、さらに同じ100万人もの高齢者がうつ病であることを見過ごされているという。そんな「老人性うつ」の実態や早期発見方法、治療方法までをわかりやすく解説。

書評

「高齢者専門の精神科医」を自負する筆者は、15年にわたって老人ホームの心のケアを受けもってきた臨床経験から感じることが2つあったという。

ひとつは高齢者のうつ病は十分に治せる病気であること。家族や本人がうつ病だと思って通ってくるケースはほとんどなく、たまたま認知症だと思って通ってみると、うつ病が見つかるというケースが圧倒的に多いのだそう。意欲がなくなり、記憶力や知的機能も衰えて「ボケた」と思われている人の7~8割は、実はうつ病という可能性が高いのだ。結果的に、高齢者のうつ病は治療されずに放置されているケースがほとんど。それは結果的に高齢者の自殺の増加などに繋がっていると筆者は語る。

もうひとつが晩年のうつは「人生の悲劇」だと思えること。認知症は誰もがかかりたくないと怖がる病気。だが、実は認知症にかかると嫌なことを忘れたりして、以外とニコニコして多幸的になる部分も多いという。それにひきかえ、老人性うつは治療を受けずにいると鬱々とした気分で過ごし、物事に幸せとか楽しみを感じられなくなってしまう。ただ、老人性うつは治療で改善できるという点が大きく異なる。

認知症の初期的症状の介護者を抱えるご家族は、一読する価値があるかもしれない。

第194回「老年症候群の診察室」については、こちらへ。

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