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介護の本書評「review-kaigo」

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第186回 迫りくる「息子介護」の時代

男が介護をする時代が到来する。

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迫りくる「息子介護」の時代~28人の現場から~ (光文社新書)
平山 亮 上野 千鶴子

内容

「息子介護」とは、嫁でも娘でも夫でもなく、息子が親の介護をすること。まだ耳慣れない言葉だが、息子介護者は着々と増えているそうだ。本書では『息子が介護をする』異常事態(?)をきっかけに表れてくる男社会の息苦しさの「あるある」を描き出した一冊。

書評

「老老介護」「嫁介護」なら聞いたことがあるかもしれないが、「息子介護」を聞いたことがある人は少ないかもしれない。だが、今後ますます増えることが確実なのだ。ほどなく周囲の多くが「息子介護」をやっいる時代がやってくるかもしれないのだ。

本書では28人の息子介護経験者からさまざまな取り組み方、考え方、感じ方を取材してまとめている。だが、決して息子介護を知らない人のt前だけの本ではない。似たような境遇にある人の彼らの体験談に触れることで、新たな気づきがたくさんあるに違いない。

だが、本書には裏テーマがある、と筆者。それは男ゴコロの心理学。特に、人間関係における「男ってこういうところあるよね」の分析。男性は本書を読みながら介護以外の部分にも当てはまると感じる部分が少なからずあるはずだ。本書に散りばめられているのは、男性が男として他人と関わるとき、あるいは男たちに対して男性が関わるとき、何となく感じている「あるある」なのだという。

本書をきっかけに多くの人が息子介護について語り合えるようにあれば、それはとても素敵なことだ、と筆者。増えつつある息子介護の問題、それを解くのに必要なのは、一部の専門家の意見だけとは限らない。もっと大切なのは人々の関心と一人ひとりの「自分はこう思う」という意思表示なのだ。

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