介護の本書評「review-kaigo」 第101回〜

第181回「ボケないための、五・七・五」

俳句を覚えて書くだけで認知症予防!

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ボケないための、五・七・五 (単行本)サミュエル ライダー Samuel Ryder


内容


「人間の短期記憶は15秒ほどで消滅する」という事実をご存じだろうか。この人間が持つ『忘却のからくり』を上手に利用して“脳を鍛錬する”ことが可能だという。本書では松尾芭蕉をはじめとした名句を使って、その脳の鍛錬を行うことができる。

書評

人間の短期記憶は15秒ほどで消滅するという“忘却のからくり”を上手く利用して行う“脳の鍛錬”について書かれた本書。

人間の記憶には記銘(覚える)、保持(保存する)、想起(思い出す)という3つの過程があるという。また、記憶できる時間の長さで分類すると、短期記憶と長期記憶に分けられる。他にワーキングメモリ(作業記憶)という種類もある。本書で目指す脳の鍛錬法は、人間の記憶のメカニズムをベースに、心理学の要素を加えたものだという。暗記後、15秒以上遅れて筆記することから、本書では「遅延筆記法」と命名されている。そして、本書のもうひとつの特徴が、この遅延筆記法を俳句を使って行うということだ。

俳句は情報のまとまりである「チャンク」が3つあり、日本人は無意識のうちに五・七・五の17音を3チャンクに分類する作業を行っており、それが脳の鍛錬になっているという。そして、縁語や掛詞を積極的に用いる「蕉風」と呼ばれる新たな俳諧を打ち立てた松尾芭蕉の句は、「人の精神を高める何か」があると筆者は語る。脳に刺激となり、鑑賞に堪え、深い感動やイキイキとした連想を想起させることができる俳句はそう多くないという。だが、芭蕉の名句には間違いなくそれがある。

初級ではひとつの俳句を覚え、15秒以上経ってから書き出す。中級では2つの俳句を同時に見て、15秒以上経ってから書き出す。状況では3つの俳句を覚えて書き出す。3つの俳句となると、短期記憶、長期記憶、そしてワーキングメモリまでを駆使する、まさに「脳を総動員する状態」が発生するという。また、この「遅延筆記法」は文字を書くことで脳の血流を促し、活性化させる効果もある。パソコンでキーボードを使っているときよりも手書きの時の方が、断然脳は活性化しているというのだ。

ぜひ本書で芭蕉の名句に触れながら脳を活性化し、ボケを防止したいものだ。

第182回「高齢者の心理がわかるQ&Aーほんとうの高齢者を知るための、66の疑問」については、こちらへ。

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