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介護の本書評「review-kaigo」

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第178回 介護現場で使える会話の引き出し便利帖

高齢者ともっと話したくなる!

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介護現場で使える会話の引き出し便利帖
布施克彦

内容

十把一絡げに高齢者と言っても60歳代と90歳代では生まれ育った世代がまったく異なる。もちろん打てば響くように反応がある会話のテーマも変わっていく。本書は、介護現場で働く人々に向けて会話を引き出すための話題やネタ、ポイントや注意点をわかりやすく示している。

書評

介護関連の仕事であれば、日々高齢者と向き合うことになる。人は生きてきた時代が違えば文化や風習はもちろんのこと、モノの考え方も異なる。介護の現場では、日々利用者とどのような態度で接するか、どのような話をすれば良いのかで悩んでいる人も多いそうだ。本書はそのような方々に向けて書かれていると言える。

高齢者はその長い人生を通して多彩な経験や知識を身につけている。それらを上手に引き出すことができれば、興味深くて楽しい会話を進めることができるという。会話が盛り上がり、コミュニケーションが円滑になり、話す内容の幅が広がることで利用者の人物像やこれまでの人生、価値観などを理解することができるようになる。そしてそれは必ずより良いサービスにつながるのだ。

現在の日本は、全人口の3人に1人が65歳以上という本格的な高齢化社会の時代に突入している。さらに、これからその仲間に加わらんとする高齢者予備軍も相当な数にのぼる。高齢者と言っても、その範囲は広範で中身も多様である。過ごしてきた時代も、同じ話題にないする反応や考え方も異なるだろう。実は高齢者とのコミュニケーションはきめ細やかな配慮が必要だと言える。

本書では、高齢者の世代ごとのコミュニケーションに必要な材料を紹介している。といっても難しいことはまったく書かれていない。年表から当時の時代背景や社会情勢を知ることができ、さらには高齢者の関心が高いテーマの情報が網羅されている。ぜひ仕事の現場に一冊常備してみてはいかがだろうか。

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