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介護の本書評「review-kaigo」

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第164回 介護にいくらかかるのか?

介護のお金、知ってますか?

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介護にいくらかかるのか?―いざという時、知っておきたい介護保険の知恵 (学研新書)長谷川 嘉哉

内容

介護保険が存在するということは、誰もが将来的に介護を受ける可能性があるということだ。そして、介護には『お金』の問題がついて回るからこそ、元気なうちから準備が必要なのだ。貯金はもとより、介護の知識を学ぶことで『介護貧乏』になる可能性を減らすことができるのだ。

書評

近年介護書には『がんばらない介護』というキーワードを目にすることも増えた。だが介護に関しては、決して心の持ちようだけで解決する問題ではない。正しい知識を備えてこそ、初めて介護生活に活路を見いだせるのだ。

筆者は医師であり、なおかつファイナンシャルプランナーという得意な肩書きを持つ。だからこそ『してあげたい』という気持ちが十分にあったとしても、お金の問題でできないことが多々あるという現実も、医師とファイナンシャルプランナー、両方の視点から見つめてきた。
本書は介護に関する情報を的確に整理し、それぞれの項目に対してわかりやすく解説することで『転ばぬ先の杖』となるような一冊を目指して書かれている。

日本の建前は『申請主義』。つまり、自分から申請して初めて社会の保護を受けたり、資源を使うことを許される。つまり、知らなければそれまで。知っているだけで『介護貧乏』になるリスクはかなり減らすことができる。だからこそ、知っておくことは何よりの財産であり、もし自分に介護が必要なければ、それはさらに素晴らしいことなのだ。そして、相談できる専門家や友人のネットワークを広げておくことが必要だ、と筆者は語っている。

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