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介護の本書評「review-kaigo」

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第163回 誰も語りたがらないウンチとオシッコの話

介護の大きな課題、排泄について考える。

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誰も語りたがらないウンチとオシッコの話
勝屋なつみ

内容

介護における排泄というと、介護おむつが一般的とされている。だが、本当に紙おむつで良いのだろうかと考えた女性がいた。彼女が開発したトイレ付き介護マットレスは、マットレスの真ん中に穴が空いた簡単な物だった。このマットレスと出会いによって、筆者は寝たきり後の排泄問題について取材を進めることに。誰も触れたがらない、介護中の排泄。それは問題点満載の奥深い問題だった。

書評

紙おむつ一辺倒の排泄介護の現状に、たったひとりで立ち向かったには、金井純代さんというい女性だ。「これがオンリーワンでないことは分かっている。だが、これあれば家で死ねる。なぜなら排泄問題が省力化できれば、社会的入院は確実に減ると信じている」と語る。

介護の時は紙おむつ。当たり前だと思っていた点に、寛恕は大きな疑問を呈していた。だが、筆者が調べれば調べるほど、「寝たきり後のウンチやオシッコ」には大きな問題が多数あることを知ったという。なにより最大の問題点は、「寝たきりのウンチとオシッコ」は自分の問題であるにもかかわらず、自分の問題として考えている人が日本には皆無に等しいのだ。

本書は、寝たきりになった人たちのウンチとオシッコがどうなっているのかから始まる。そして、トイレ付き介護マットレスの開発秘話。ウンチやオシッコの話の中に、現代日本が抱える介護の問題点が数多く散りばめられている。介護中の排泄は、日本の介護問題の縮図なのだ。

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