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介護の本書評「review-kaigo」

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第151回 シングル介護

介護体験者が語るシングル介護の極意

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シングル介護―ひとりでがんばらない!50のQ&A (生活人新書)
おち とよこ

内容

高齢化や未婚、晩婚化が急速に進む中、独身の娘や息子が老親を介護する「シングル介護」が増えている。本書は、介護体験者である筆者が、イザという時に役立つ実用ノウハウをQ&A形式で解説。シングル介護の極意をわかりやすく伝授している。

書評

近年、シングル介護が増えている。シングル介護=未婚者だけではない。未婚、離婚、死別、そして一人っ子など、ひとりで介護の責務を担っているケースだ。家族の形態が変わり、「親の介護は長男の嫁がする」という時代は、幸か不幸か遠くなりつつある。未婚、既婚、老若男女にかかわらず「結局介護するのは自分ひとりしかいなかった」というのすぐそこの現実にある。少子高齢化の波は迫っており、シングル介護者の増加、中でも男性のシングル介護者が激増している。対岸の火事だと、手をこまねいていられる状況ではないのだ。

筆者もシングル介護を体験し、多くの情報に助けられたという。介護の手がない、時間もない、相談相手もいない、ゆとりもない、そんなないない尽くしのシングル介護こそ、制度の使いこなしの知識や情報が誰よりも重要だという。本書では、シングル介護者の多くが直面するという介護の不安や悩み、戸惑いの具体的な問いに、筆者の体験や失敗、さらには仕事を通じて得たあの手この手の裏技をQ&A形式で紹介している。

今まさに親の介護に直面して、たったひとりで目の前が真っ暗になっているシングル介護者も、介護のことが気になり始めたシングル介護予備軍も、きっと明るいものが見えてきて心が軽くなるだろう。

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