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介護の本書評「review-kaigo」

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第140回 おかげさま 老人ホーム選びの掟

弁護士が教える介護トラブル回避のコツ。

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おかげさま 介護弁護士流 老人ホーム選びの掟
外岡潤 くさか里樹

内容

筆者は、自らを『介護弁護士』と呼び、介護現場で起きる事故などのトラブル解決に特化した仕事を行う弁護士だ。本書では、そんな筆者が日々の介護弁護士年ごとの中で出会った、介護にかかわる家族からの相談や依頼、事件から得た教訓などを「有料老人ホーム選びの落とし穴」としてまとめられている。

書評

介護の世界には、実は思いもよらないトラブルの原因がたくさんあるのだという。人々が抱く漫然とした「介護」のイメージとはかけ離れた現実が存在する。そうした落とし穴にはまらないようにするには、最低限知っておかなければならないことがあり、それを弁護士の視点からまとめたのが本書だ。

世の中には介護に関する書籍がたくさん出版されている。老人ホーム選びや介護のやり方、Q&Aやノウハウなどに関する本はたくさんあるが、本書ではそうした基礎知識ではなく、あくまで想定し得るトラブルという点に特化した内容に、弁護士の視点からアプローチするという一点突破型の内容になっている。そのため、介護の専門知識や介護保険制度について学びたい、といった人には不向きかもしれない。

その分、表層的なマニュアル本からは得られない、本当に役に立つ「知恵」が詰め込まれているとも言えるだろう。筆者は介護について全くの門外漢だったそうだ。しかし、だからこそ見えた世界もあるはずだ。筆者が新鮮に映ったこと、素朴な疑問として感じたことこそ、「介護にかかわったことのない読者にとって役に立つ」内容と言えるのかもしれない。

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