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介護の本書評「review-kaigo」

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第132回 お父ちゃん、あんたのおかげや 介護の重みは幸せの重み

日々奮闘する老老介護の泣き笑いの実録。

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お父ちゃん、あんたのおかげや 介護の重みは幸せの重み
浦川 幸子

内容

急性心筋梗塞で倒れて退院したのもつかの間、今度は脳内出血で倒れ、高次機能障害と右半身不随という重い後遺症が残ってしまったご主人を介護する筆者。やや強引に始めたという3年間の在宅介護の記録が、日本の介護制度や介護保険制度の問題点や課題を浮き彫りにしていく……。

書評

誰しも病気になりたくはない。まして体の自由が利かなくなって、自力で生活できなくなった時、人は何に頼って生きていけばいいのだろう。急性心筋梗塞と脳内出血を相次いで発症し重い後遺症を抱えることになったご主人を介護することになった奥様が本書の筆者だ。

筆者は娘をはじめとした家族の支えがあってなんとか介護できているが、一人で介護する人は大変だろうと語っている。たった一人で行う介護は、身も心も疲れ果ててボロボロになってしまうのかもしれない。だからこそ、行政が介護者の多くが感じている現行の介護保険制度をはじめとした介護制度の矛盾を認識し、制度のあり方について考えて欲しいと訴えている。

筆者は、介護を通して人の温かさが身にしみ、大勢の人々が介護される人を見守っていると実感したそうだ。それが頼もしく感じる、とも。在宅介護は大変なことが山ほどあるが、考え方をちょっと変えれば楽しくなるという。本書が、そんな大変さを楽しみに変える参考になれば、と考えているそうだ。そして筆者は語る、「病人にとって家族の愛に勝るものはない」と。

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