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介護の本書評「review-kaigo」

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第129回 介護準備ブック

親が65歳を過ぎたら、知るべきこと&やるべきこと。

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あなたの親を支えるための 介護準備ブック
小室淑恵・株式会社ワーク・ライフバランス

内容

筆者の事業であるワーク・ライフバランスという視点から見て、仕事とくらしの両立を実現する中で、大きな問題となってきたのが「介護」だという。時間制約がある中で働く経験が少なく、突然降りかかってくる「介護」。大きな成約に「会社に迷惑は掛けられない」と退職の道を選ぶ人も少なくないという。そんな介護予備軍の人が読むべき一冊となっている。

書評

ワーク・ライフバランスの第一人者でもある筆者のもとには、数年前から企業の経営者や人事担当者から「介護と仕事の両立」が相談内容として上がってくるという。当事者となるのが40〜50代の男性社員が多く、マネジメント層も多いこの年代への支援策は、多くの企業で手薄なのが実情だという。

その原因は複合的で、最も大きな要因が少子高齢化だ。高齢化が世界に類をみないスピードで進み、兄弟や姉妹が少ないという状況から、専業主婦を中心に兄弟姉妹や配偶者が分担しながら介護を行うことは、実質的に不可能なのだ。だが、日本がこれから厳しい時代を生き残るためには、介護と仕事が両立できる日本の新しい姿を作っていくしかないのだ。

本書は、30〜50代をターゲットに、これから直面するであろう介護の基本的な情報や内容がまとめられている。本書を家族でシェアし、家族や職場、ご近所がチームとして介護に取り組めるきっかけとなれば、という想いで作られている。ぜひ、本書の最後にあるワークシートに記入しながら、少しでも早く介護の現実を向き合って欲しい。

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