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介護の本書評「review-kaigo」

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第125回 認知症よい対応・わるい対応

認知症患者と家族が知りたい最前線のケアと予防。

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認知症 よい対応・わるい対応―正しい理解と効果的な予防
浦上 克哉

内容

20年以上もの長きにわたり、認知症の研究・臨床、地域活動に貢献してきた筆者ならではの、知識と経験に裏打ちされたノウハウが公開されている。筆者は本書の目的は「認知症への誤解を解くこと」だとしている。認知症発見のチェック項目、受信前チェックリスト付き。

書評

世の中での病気で最も誤解されているのは認知症だと語る筆者。65歳以上の10人に1人がかかるありふれた病気なのに、特殊な怖い病気だと考えられている、と。それだけに高齢者の間では『最もかかりたくない病気』だとされているらしい。

本書では、まず最前線の情報をできるだけ分かりやすく紹介している。そして、認知症を予防できる生活習慣、さらには認知症患者に対する「よい対応」「わるい 対応」について紹介している。患者のすべての行動には必ず意味があるという。目を凝らし、耳を澄ませば最良のケアのカギが見つかるという。肝心なことは患 者がひとりの人間として尊重され、安心することだ。筆者が家族にいつもお願いしているという「安心ケア10箇条」も参考にしたい。

本書は「認知症はまだまだ遠い先」と思っている人や、若い人が読んでも十分に役に立つだろう。老いは誰もが通らなければならない道。老若男女問わず、より多くの人が人の尊厳を大切にすることは、高齢化社会が進む日本の大きな力になるだろうと筆者は語っている。

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