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介護の本書評「review-kaigo」

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第119回 生活環境整備のための“福祉用具”の使い方

書籍+DVDで介護の基本を完全理解。

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生活環境整備のための“福祉用具”の使い方
窪田 静 栄 健一郎

内容

福祉用具をまず「介護者の健康を守ること」「利用者本人と生活の環境整備を広げる」ことを基本に、ケアにとっては新しい観点である“楽に動くこと”の効果とその原理を学ぶ必要があると筆者は力説している。どんな体位でも“楽に動くこと”をを優先して考え、そのための技術を伝えてくれるのが本書だ。書籍での文章とイラストによる説明に加え、DVDによる動画も付属されており、わかりやすくリアルに理解することができる。

書評

急速な高齢化社会に突入するにもかかわらず、福祉用具が全く開発されておらず、しかもなかなか普及しなかった介護保険制度施行前の時代。しかも日本は工業技術立国であり、開発の環境は整いすぎるほど整っているにもかかわらず、だ。欧米で福祉用具について学んだ筆者は、介護保険制度の施行によって、福祉用具が身近になったと感じている。だが、何か違うと感じている。

それは介護保険をはじめとしたシステマチックな流れを促進する動きだという。現場の実感を反映させるようなプロジェクトや試行錯誤が非常に難しくなっているという。『一人ひとりに向き合って試行錯誤しよう。その経験を蓄積し、普遍化する努力を通して技術を作りあげる』そんな方向に向かわなければならないのだ。

本書では、対人援助はマニュアル通りにはいかないと力説する。そのため本書は要素を羅列するような教科書的な記述は一切無い。経験の中から伝えたいと考えることを、それが率直に記されている。
介護者の健康を守るプランニングが「本人」の活動性を高めるためには不可欠なのだ。お互いが楽になり、楽に動けることが大切なのだ。ぜひ、書籍とDVDを見てその想いや動きを学んでもらいたい。

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