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介護の本書評「review-kaigo」

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第118回 認知症 家族を救う対策集

認知症を改善できる手立てがあるかも!?

<認知症>家族を救う対策集―問題行動を防ぐ、改善する、認知症そのものを予防する
主婦の友社

内容

日本が最も考えなければならない課題の一つが、高齢化社会にどう対応していくかである。さらには、国民全体が介護や認知症などに対する知識や情報を「いずれ活用することになる大切な情報」として学び、理解してもらう環境をどのように構築していくかということも重要だ。本書では、「治る可能性がある認知症」の存在をはじめ、認知症に関する正しい知識を吸収することができる。

書評

本書は雑誌に掲載されていた連載記事を一冊の書籍にまとめたということで、認知症に関して非常に幅広い内容がカバーされている。

本書は5つの章から構成されており、第1章では認知症の基礎的な知識を紹介し、第二章では、認知症治療の最先端の手法とされる「コウノメソッド」に関する情報を治療法を開発した河野氏自らが解説されている。また、第三章では、認知症の症状に対する様々な対策が紹介されている。たとえば、「トイレで排泄する」といった困った行動に対してどのような対応をとればよいのか、家族がしてしまいがちな行動や認知症の人の気持ちを紹介した上で、最適な対処法が解説されている。また、第四章では、介護者には欠かせない介護保険に関する、『介護保険の基本の「き」』と題して基礎的な内容をわかりやすく解説している。そして最後の章となる第五章では、認知症を防ぐための50の方法が紹介されている。

介護保険や介護手法というと、非常に難解なイメージだが、イラストもたくさん活用されており、非常に理解しやすい内容になっている。また、認知症研究や治療で有名な学者の寄稿文も非常に読みやすく理解しやすいので、介護初心者でも活用することができるだろう。

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