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介護の本書評「review-kaigo」

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第117回 これからの老老介護にそなえるための心得40

老老介護は決して人ごとではない!

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これからの老老介護にそなえるための心得40---「老いても生きる」ことの意味と支援のあり方
松本 一生

内容

超高齢化社会が確実に進む日本。社会とのつながりが希薄になりつつある中で、介護を夫婦や家族の絆だけで支えていこうという考え方は、もはや無謀に等しい。これからは家族の代わりとなる存在が、社会の中に必要となってくる。本書ではそれを拡大家族ネットワークと名づけ、このネットワークの構築が急務であるとしている。本書では、「老いても生きる」ために必要な支援と生きる意味を考える。

書評

戦後から復興を遂げた日本。その高度成長を支えた人々が歳をとり、できないことが増えてきただけではなく、いつしか身寄りのない地域で孤立するようになってしまっている。4人に1人が65歳以上の高齢者という超高齢化社会が到来していることから目を背けることはできないのだ。

さらにこれからは、そんな両親を「心配」していた子どもたちも、健康問題に心配が起こる様な歳になってきている。本書は、まだ介護のことを考える余裕があるうちに老老介護の正しい知識と問題点などを把握し、来たるべき時の準備に役立てて欲しいという筆者の願いから生まれたという。

日本はもはや超高齢化社会から逃れることはできないだろう。未来がない、若い人の将来に希望はない、というのは簡単だ、しかし嘆くだけでは何も変わらない、と筆者。老老介護が避けて通れない問題であることを認め、まだ準備できるうちに何らかの方法をもって対処することができれば、希望の光をもつことができるのではないだろうか。人は歩き続けなければならない。老老介護という終わりのない日々を送っていてもそれは変わらない。でも、それこそが人生なのだ。未来への希望が見いだしにくい今の時代だからこそ、お互いに手を取り合って社会全体で支え合うことが必要なのだと感じた。

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