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介護の本書評「review-kaigo」

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第112回 介護の言葉かけタブー集

“介護のプロ”の経験談による声かけ対話集。

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介護の言葉かけタブー集
介護の言葉かけ研究会

内容

本書は、主として介護の現場で働く人々に向けて書かれている。なぜなら“声かけ”は、介護の現場で働く人々にとって、大切な仕事の一つだからだ。本書は介護の多様な現場で、利用者への対応で困った時に即座に役立つ実例がなんと100も掲載されている。でも、プロだけに読ませておくのはもったいない。そう思わせるのは失敗談“タブーな声かけ”の実例がたくさん掲載されているから。場面ごとの「かけて良い言葉、悪い言葉」が一目でわかるのだ。

書評

介護の最前線に立つプロの介護士たちでも、“声かけ”について実践的に学ぶ機会は皆無に近いという。「先輩に教えて欲しいが忙しいそうで聞けない」「困った時に相談できる人がいない」という声が多いという。

本書では、「こうすればいい」「こうすればうまくいった」という経験談だけではない。「こんな失敗をしてしまった」という“タブーな言葉かけ”の経験も同一シーン別にまとめられている。これならシーンごとに掛けて良い言葉と悪い言葉が一目瞭然になる。「そう言わずに一緒にやりませんか」「やさしい娘さんたちじゃないですか」「危ないですから介護サービスを利用しませんか」など、普通なら「どうして?」と思うような言葉が、掛けてはいけない言葉としてたくさん挙げられている。

また、各所の最後に用意されている「コミュニケーションのツボ」というコラムが、ちょっとした介護に関する豆知識的なものが紹介されており、これはこれで介護の仕事を始めたばかりの人にはとても役立つのではないかと思う。

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