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介護の本書評「review-kaigo」

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第109回 介護保険の基本と仕組みがよ〜くわかる本

超高齢化時代に必要な介護との新しい向き合い方。

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図解入門ビギナーズ 最新介護保険の基本と仕組みがよーくわかる本 (How‐nual Beginners Guide Book)
高室 成幸

内容

急激な少子高齢化が進み、介護問題が深刻になるという日本社会の姿が見え始めた頃、高齢者介護を社会全体で解決しようと生まれたのが介護保険である。利用者は急増したものの、国の財政を圧迫するという事態に。こうした背景によって介護保険は何度も改訂が行われている。しかしながら、改訂によって制度が複雑かつ難解になっているのも事実だ。本書はそれらをわかりやすく解説してくれている。

書評

介護保険制度がスタートし、老親の介護や認知症の悩み、介護への不安が職場や日常生活で普通に語られるようになってきた。制度スタート直後は、介護保険サービスを利用することそのものに対して、戸惑いや抵抗感があったが理解が深まるにつれてそれも薄れ、今後は予防介護も含めた新たな超高齢化のステージに入ろうとしている。

介護保険は、市町村や行政、業者だけではなく、利用者や家族、そして地域がみんなで築き上げていくシステムになっており、まさに「自立支援」「利用者本位」のサービスだということを本書は教えてくれる。「賢い利用者」が「質の高いサービス」を受けることができ、生み出すことができる。それだけに、仕組みを理解し、ケアマネジャーや事業者に積極的に「ニーズ」を伝え、「生活プラン」を提案できる利用者が有利なのではないだろうかとも感じた。

本書は、介護に悩み、不安を抱えている人にわかりやすく介護保険の仕組みがわかる一冊として役に立つだろう。本書が広まることで、介護保険の「賢い利用者」が増え、それが社会全体の介護サービスの質が向上することに繋がるだろうと感じた。

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