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介護の本書評「review-kaigo」

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第100回 認知症 家族を救う治療革命

この一冊が認知症に対する常識を変えるかもしれない。

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認知症 家族を救う治療革命 ―あきらめないで!最新医療でここまで改善できる
山野井 正之

内容

なってみなければわからない、それが現在の認知症のイメージかもしれない。認知症治療の実態も経験したことがなければわからないことだらけ。言えることは「今行われている認知症治療は決して十分なものではない」ということだけです。だが、認知症を本気で理解し、問題の解決に真剣に取り組むプロもいる。本書はそんな医師たちの取り組みが紹介されている。

書評

日本には現在250万人の認知症患者がおり、2030年頃には400万人にもなるといわれている。認知症を他人の不幸と済ませるのではなく、いずれ近いうちにやってくる自分自身の問題として考えるべき問題であると言える。にもかかわらず、本気でこの問題に取り組む医師が驚くほど少ないのも事実だ。

しかし、希望がないわけではない。認知症患者や介護家族のために本気で取り組む医師をはじめ、さまざまなプロが存在している。本書は「コウノメソッド」という、現在の認知症治療の標準的な方法論を中心にすすめられている。

第一部で認知症という病気の基本的な知識と現在の問題点が解説されている。また、第二部では認知症治療の最先端の臨床現場で格闘している臨床医を取材し具体的な問題点や症例がレポートされている。第三部では、現在認知症患者のご家族の体験談が収録されている。とてつもない苦労を強いられる家族が「それでも決してあきらめないで」という力強いメッセージがヒシヒシと感じられる。

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