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介護の本書評「review-kaigo」

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第99回 わかりやすい 認知症の医学知識

認知症を学び、ケアにつなげよう。

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わかりやすい認知症の医学知識 (おはよう21ブックス―基礎から学ぶ介護シリーズ)
長谷川 和夫

内容

認知症患者なは65歳以上の高齢者の約8.5%とされ、近い将来にはなんと約400万人にも達すると推計されている。高齢化社会の未来や、認知症の対策は世の中の大きな関心を集めています。本書は介護専門職や関連領域で働く人向けに、医療の基本知識についてわかりやすく解説されている。

書評

認知症は杖や車いすを使わなければならない運動障害に比べると、目に見える状態ではない。認知症は著しい物忘れのために何回も同じ事をたずねたり、道に迷ったり、言葉のやりとりが勝手を得なくなることもある。そのために、周囲の人や家族、友人といった周囲との絆を失っていくのだという。認知症のケアとは、まさしく認知症の人が失ったそうした絆を新たに創造することを目指すのだと、筆者は語る。

そのためには認知症とはなぜ、どのようにして怒るのか、主要な原因疾患、治療、診断、さらには予防といった医療の基本知識について学ぶことが必要なのだ。また、医療従事者が家族と接する機会が増え、“介護する家族への支援”も重要といえる。

介護保険制度や関連するさまざまな仕組みの発展とともに、認知症ケアの専門性が期待されていることは確かだ。ケアを受ける人はケアを行う人の考え方や行動によって人生が変わることは間違いない。介護従事者は、知識、技法、そして心の3つの要がひとつになって、現場で自己が成長していくことが大切なのだ。本書は知識面でその成長を助けてくれることになるだろう。

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