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介護の本書評「review-kaigo」

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第98回 認知症の最新治療法がわかる本

認知症は“治る”“防げる”病気になってきた!

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認知症の最新治療法がわかる本 (洋泉社MOOK)

内容

かつては発症すると諦めるしかないと思われていた認知症。防ぐ手立てはなく、発症すれば最後、家族は介護に追われる日々が続く……そんなネガティブなイメージが根強いのは確かだ。しかし、認知症に対する考え方やとりまく環境が大きく変化しているという。対処法が徐々に具体化されているというのだ。

書評

認知症は、現在では研究も進み、診断方法の精度も向上している。進行を抑える薬も開発されて12年が経ち、2011年には新薬も登場することになっている。また、万が一発症しても介護方法も飛躍的に進歩を遂げている。認知症は完全には解明されていないが対処法は徐々に具体化されてきているのだ。他とは違う特殊な病気でも、不治の病でもない。現在は、治るタイプの認知症は的確に診断して治す、相でないタイプの認知症は軽い症状で留まるようにする、少しでも進行を遅らせるのが、、一般的な認知症の治療スタンスだそうだ。

また、介護や治療を難しくしているのは、家族や介護する側の人間が作っていることも少なくないという。認知症患者も人間なのだという、当たり前のことを忘れてしまい、身内故に感情的になり介護に疲れてしまうケースもあるのだ。本書では認知症の基本的にな解説、診断法、タイプ別症状と治療法、そして介護保険の利用法と、介護に関する知識がバランスよくつくように配慮されている。本書は認知症で悩む人にとって、良きガイドになるのではないかと感じた。

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