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介護の本書評「review-kaigo」

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第93回 病気・病状別 家庭介護の手引き

ひとりで悩まず、専門家にアドバイスを受けるのが家庭介護の基本!

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病気別 家庭介護の手引き (ホーム・メディカ安心ガイド)
川島 みどり

内容

寿命の延長は、人類共通の願いだったにもかかわらず、今の日本にはそれを心から喜べない現状がある。それは、老親や配偶者が病気になったり、認知症になった時に、はたしてちゃんと介護ができるだろうかという不安を多くの日本人が一様に抱えているからではないだろうか。その時はいきなりやってくる。本書は、日頃からの心づもりはもちろん、そうなったときに何をすべきかが記されている。

書評

いざというときに種々の支援を受けられる介護保険制度があるにもかかわらず、日本人の老後はなんとなく不安で、暗いイメージを払拭することができない。それは制度だけではカバーできない問題が数多く存在するということを薄々感じているからかもしれない。

高齢者と行っても介護の方法は一人ひとり違うのが現実だ。まして、病気や障害の程度、さらには退院後の家族構成や住まいの状況によっても変化し、まさに十人十色の様相を呈している。したがって、筆者は必ずしも本書に書かれた通りにはいかないかもしれないと書いている。さらには家族介護の体制にしても、もともと同居していた老親が退院して帰ってくる場合と、介護の必要が生じてあらたに同居をスタートさせる場合では、全く事情や手法も異なるという。

ただ、家庭介護は病気や障害の対応よりも、その方のこれまでの生き方や大切にしながら介護することが大切だという。社会的な支援では決してできない、家族だけができる介護が存在するのだという。
高齢者は、「迷惑を掛けたくない」という思いと、「病気になったら面倒を見て欲しい」というふたつの思いの狭間で揺れ動いている。このことをしっかりと理解して、家族だからできる介護を工夫して欲しいと筆者は語っている。

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