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介護の本書評「review-kaigo」

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第92回 なぜか誰も教えない60歳からの幸せの条件

世代によって豊かさは変化する。自分らしい「生涯現役」を貫け。

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なぜか誰も教えない60歳からの幸せの条件
石川由紀

内容

家計・住居・介護・医療・防犯……。核家族化が進んだ現代社会において、高齢者は重要な消費顧客に変化している。相応の財産を持つ高齢者は、この時代を最も謳歌することができる対象なのだ。本書は筆者が15年の単身シニアサポート活動で得た知恵や技、技術がまとめられた一冊となっている。

書評

筆者は、60歳からは「カネがなくても身体が丈夫なら乗り切れる」「身体が弱くても気力があれば乗り切れる」「気力が弱っても情報があれば乗り切れる」という。だが、加齢によって各自が持つ経済的、精神的、肉体的な環境や状況の格差は大きくなるが、高齢ゆえの共通する問題も数多くあるという。「高齢期」なんて考えるだけで憂鬱という人も、なんとなく明日の自分が心配という人も、きっと本書の知恵と情報が役に立つ、と筆者は語る。

現代社会において高齢者が暮らしていくためには、核家族化が進んだことで「個人」としての生き方、生活技術が必要だという。子どもの時は生活技術や社会習慣をひとつずつ身につけながら自立していった。高齢者は、これからその時同様に、衰える生活技術や変化する社会システムをひとつずつ学びながら、自立した老後を送ることになるのだ。

筆者は「家族に頼らなくても、蓄えがなくても、豊かな生活は実現できる」という。人生の集大成として、持てる経験やネットワークを総動員して新しいステージに立ち、消化期間じゃない日々を作り出すことこそが、最高の老後なのではないだろうか。

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