在宅か施設か……迷う人の羅針盤となる一冊。
内容
「介護」という言葉は身近になったが実際には見たこともないし、経験したこともない世界。いざ介護するとなって最も最初に困るのが、「どこで介護するか」だ。自宅なら話は早いが自宅介護ができる人はほんの一握り。大半が施設での介護となるが、その施設が多種多様。本書は今まさに施設入所を検討している人から、「いつか介護をしたりされたりする時は施設もありかなぁ」と思っている人までを対象とした一冊。
書評
介護保険制度はそもそも在宅介護を応援する制度。だが、介護する側の負担が大きく、施設での介護を選択する人も増えつつある。その時に困るのが、「どの施設を選ぶか」ということ。一般人に介護三施設の違いなんてわからない。有料老人ホームにも健康型から介護付きまであり、自分はどこに入所できるのか混乱してしまうというのが現状だ。
本書は、そうした介護施設について記されている。特徴は5つある。一つ目は、介護保険制度を実践的なノウハウを示しながら説明していること。二つ目は、似ているように見える介護施設の違いをわかりやすく説明していること。三つ目は、介護施設を選ぶ際に確認すべき点や視点などが説明されていること。四つ目は、施設訪問時のチェックポイントや書類をチェックする時に見方を具体的に解説していること。そして最後の五つ目は、入所後に発生する注文や苦情を伝える際の注意点。万が一倒産した場合の対応など、あまり知られていないが知っていないと困るポイントについて、現実的な対応方法が記されている。
介護施設を検討するいろいろなシーンで役に立つ一冊になりそうだ。