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介護の本書評「review-kaigo」

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第82回 もうすぐあなたも遠距離介護

遠距離介護を成功させるための体験、情報、具体案がここに。

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もうすぐあなたも遠距離介護―離れて暮らす親のケア
太田 差惠子

内容

離れてクラス親のケアを考える「パオッコ」の代表を務める筆者。今は親が元気でも、高齢化が進み、親と子が離れて暮らすことが当たり前の時代。この本に綴られていることは、すべての人にとって距離の近い未来のはずだ。そんな“近い現実”を真正面から見据えた本書。親を持つすべての人の参考になる一冊だ。

書評

これまで、親と離れて住んでいても、親が年老いると子の住まいに呼び寄せるか、子が故郷にUターンするのが普通だと考えられてきた。本書はそんな“年老いた者だけで暮らすことはかわいそう”という常識に疑問を呈している。本当に同居することが必ずしも親にとって幸せなのか、と。福祉が乏しく“家族介護”を美徳とする日本で、遠く離れて親の幸せと健康を願い、生き方を応援することは可能なのだろうか。

本書では、離れて暮らす親をケアする方法をサポートするのアドバイスが的確にされている。中でも“体験編”と“情報編”に分けて紹介されているのが非常にわかりやすい。“体験編”は、実際に遠くに住む親を通うことによってケアしていた11人の子にインタビューが行われ、それがまとめられている。女性だけではなく、男性のインタビューも収められている。

一方、“情報編”では、インタビューで紹介したサービス、知っていればもっとスムーズに介護ができるのに、と思えることが集められている。自分が当事者になった時には、情報編に書かれた内容を知っているかどうかで、心構えや対応の早さが違ってくるかもしれない。

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